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会社を運営するにあたっては何かとお金が必要です。そのうちで重要な資金ニーズが「運転資金」であり、これは商売を行っていくのに必要な売上と仕入の回収のズレから生じる不足資金のことを言います。

1. 運転資金の種類
2. 運転資金の計算式
3. 運転資金の借入先
4. おわりに

1. 運転資金の種類
運転資金にも二つの種類があります。一つは「短期運転資金」、もう一つが「経常運転資金」といわれるものです。
「短期運転資金」の代表例は、工事業者の立替代金です。工事業者は一般に建物を建てたときに手付でいくら、中間でいくら、建物引き渡し後にいくら、と工事代金を3回に分けて受け取ることが多いのですが、材料代や職人さんの外注費は3回に分割して支払うわけには行きません。つまり費用は先行し立替資金が必要となります。
もう一つが「経常運転資金」と言われるもので、これを「正常運転資金」とも言います。毎月仕入して販売するような場合、仕入は月末支払いか月末締め翌月末払いで、販売代金の入金が数か月後になることはよくあります。支払いの方が先で、資金回収が後になりますから、資金回収までの支払いが何とかならないと売り上げが立たないことになります。

もう一つ、運転資金の考え方があるとすれば、創業融資のときに「運転資金」で借入を起こせますが、このときに用いる「運転資金」は事業が軌道に乗るまでに必要な資金という意味です。事業が軌道に乗るまでに必要な資金を借りられるのであれば、しばらく売上上げなくても大丈夫じゃねえか!なんて甘いものではありません。軌道に乗るのが遅れるほど、多額の融資が必要になりますので、「今回はお見送り」となる場合が多くなります。軌道に乗る期間が短ければ短いほど、良いことになるのは言うまでもありません。

2. 運転資金の計算式
運転資金はどのように計算するのでしょうか。
簡単な数式は次の通りになります。

経常運転資金=売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産―買入債務(支払手形+買掛金)

手形は考慮に入れず、次のケースを見てください。

売上240から商品(売上原価)200を差し引くと商品販売益は40出ています。
利益が出ているのですが、買掛金の支払いは月末で売掛金の入金は翌月となっているので、現金が不足します。その現金不足累積は6月で完全に解消しますが、運転資金は売掛金+商品―買掛金で240であり、この会社は1月のときに240だけ借入できれば、資金不足となることなく、会社は正常に運営していくことができます。このように経常的に一定金額が必要になるので、「経常運転資金」と呼ばれているのです。

ただ、このままですと売り上げが全く伸びません。会社を大きくするときに、この運転資金が増加することが予想されます。それが次の表です。

売上や仕入れが単純に倍になっていますが、そのためには240の運転資金がさらに増えることになります。この増加分を「増加運転資金」と呼びます。
こういった運転資金で貸付を銀行も増やせれば、非常にウェルカムなわけです。

経常運転資金は、一般的に期間を1年と設定し、実務上では通常「極度」(融資の利用金額の枠)を決めて、1年以内で見直しをします。そしてこの経常運転資金の返済原資は、売上回収金となります。工事業者等の短期運転資金の返済原資は対象売上の回収金となります。売掛金が預金通帳に入ってきますので、銀行としてはとりっぱぐれがありません。運転資金の借り入れの際には、借りる前からきちんと預金通帳に売掛金回収金を入れて、きちんと信用を作りましょう。
短期運転資金の場合には特に対象売上の契約書が必要になるでしょう。

3. 運転資金の借入先
運転資金の借入先としては、通常は取引銀行になります。運転資金が増加しそうなときも踏まえて、銀行には足しげく通い、今後、どうなっていくかについて、予想収支表を示して説明しておけば、借入もスムーズになります。
しかしながらあなたの会社の財務状況によっては取引銀行では厳しい場合もあります。むしろそれは経常運転資金というよりは、損失を出してしまったときにショートした分の補てんの意味合いになるでしょう。その場合には借入先は、利息の高いビジネスローンかファクタリングに限られます。
ビジネスローンの場合は、ピンからキリまでありますが、年利6%~18%です。
売掛金のファクタリングの場合には7掛けから9掛け程度です。100万円の売り上げが立っても30%はファクタリングの手数料として持っていかれてしまいます。

4. おわりに
運転資金は会社を維持するためにも、会社を発展するためにも必要な資金です。その資金の借入は、普段の銀行とのリレーションが上手くいっていれば、比較的容易に借りられます。いつ資金が不足しそうかを把握するためにも予想収支表や予想資金繰り表を常日頃作成しておくことをお勧めします。
創業融資の際の「事業が軌道に乗るまでの運転資金」や「損失を出してしまった場合に会社を維持させるために受ける融資」は、厳密には運転資金とは呼べません。後者の場合は「何やってん」資金、でしょうか。とはいっても不測の事態とはおきるもの。普段は「効果のない費用が何か」を判断し、無駄遣いせず内部留保を進め、会社を計画的に運営してなるべく不要な融資は受けないようにしたいものです。


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