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取締役は株式会社には必ず出てきます。いったい何をする人か。何か良い使い方はないのか。次に見ていきましょう。

 

  1. 取締役の役割
  2. 選任や解任、権利・義務関係
  3. 取締役の裏ワザ?
  4. おわりに

 

  1. 取締役の役割

株式会社は、以前は必ず取締役会を設置しなければならなかったのですが、最近は取締役会の設置が義務になっておりません。そのため、株式会社の組織によっては、取締役の役割がそれぞれ異なります。ここでは取締役会非設置会社と取締役会設置会社を取り上げて、取締役の役割をそれぞれ見ていきましょう。

  • 取締役会非設置会社

取締役会を設置しない会社です。この場合、原則として取締役全員に業務執行権と会社の代表権があります(会社法(以下、「法」とします)348条及び349条)。

取締役が複数存在する場合には、会社の業務執行に関する意思決定は取締役の過半数で行います。代表権も全員にあります。但し、定款や、定款に定める取締役の互選か、あるいは株主総会決議で代表取締役を選出した場合にあh、代表取締役以外の取締役は代表権を持ちません。

  • 取締役会設置会社

これは取締役会を設置する会社です。この場合、取締役は会社の業務執行を決定する取締役会の構成員であり、意思決定に参加します。代表取締役が会社を代表します。他の取締役は代表権を持ちません。

また、取締役会設置会社には指名委員会等設置会社があります。この場合、業務執行は執行役が行うこととされ、取締役は業務執行権を持ちません。会社の代表権は代表執行役が持ちます。この形式では、代表取締役を設置できません。そして取締役は会社の業務に関する意思決定に参加することしかできません。

 

2. 選任や解任、権利・義務関係

取締役会は株主総会で選任されます(法329条)。そして株主総会の議決権過半数で取締役会の選任を決めることができます。

通常、株式会社においては、取締役は1名以上いればよいのですが(法326条)、取締役会設置会社においては3人以上必要になります(法331条4項)。

任期は、選任後2年となっておりますが、非公開会社においては定款で10年以内の期間に伸ばすことが可能です。

また、取締役には会社に対する責任や義務が発生します。難しい言い方をすると業務を行うにあたり善管注意義務(民法644条)や忠実義務(法355条)を負いなさいとありますが、要するに自分のことだと思ってまじめにやりなさい、会社を裏切りなさんな、ということです。ここから、役員の就任中や退任後に、今の会社のライバルになるような活動をしてはならないという競業避止義務(法356条、419条)や、会社の役員でありながら、競争相手と関係を持ち、自分と競争相手に利益を上げさせ、今の会社に不利益を与えてはならないとする利益相反行為の制限(法356条1項2号)が規定されています。

加えて、自分が何らか会社に損害を与えたり、あるいは他の取締役が損害を与えるのにたた指をくわえてみていた、と言うような場合には、株主や取引先等から損害賠償を吹っ掛けられることもありますのでご注意下さい。

 

3.  取締役の裏ワザ?

取締役と株式会社は委任に関する規定が適用されます(会社法330条)。実は雇用契約じゃないので、取締役に給料が支払われない場合、労働基準監督署(以下、労基と言います)に駆け込んでもうちの管轄じゃないからと言われてしまいます。厳密にいうと、役員とは別に一部従業員としての契約を結んでいる場合(従業員としての地位を兼務)には、従業員としての部分は労基も対応してくれます。二重人格みたいですが、取締役は役員であり、通常は労働者ではありません。

それゆえ、代表取締役が給料を払いたくない場合には、ぜひうちの役員に!といって従業員として雇用契約を結ばないのが良いでしょう。普通はまともな会社に就職したら役員に出世するなんて夢のような話です。役員として就任する方も悪い気はしないに違いありません。そうすれば労基なんて怖くない!こういうことを書いていると、いつぞやの「従業員を鬱にして辞めさせよう」という社労士さんみたいになってしまいますね。悪用はおやめ下さい。

ただ、取締役に色々と人を抱えると、会社の経営意思決定の際に代表取締役だけで勝手に決められない場合があります。その場合は多少厄介です。あなたのやることに反対してくるかもしれません。でも代表取締役であるあなた自体が主要株主であれば、面倒くさい役員は解任してしまえばいいのです。はるかに従業員を雇うよりいいではないですか。解雇ではありませんから、ここでも労基は出てきません。不当解任だと言って訴えてくる取締役もそうは多くないでしょう。

しかしこんなことばかりやっているとあなたと一緒に働いてくれる人はいなくなりますよ!念のため忠告しておきます。

あと、上場を目指す会社や立派な企業と取引をしたいとお考えの場合、世間的に立派な方を取締役に入れておくだけでも、会社としての信用は高まります。

 

4. おわりに

取締役は、取締役会設置会社、非設置会社で若干異なるものの、基本的には会社の業務執行の意思決定を行うことが役割です。

代表取締役からすると、人を雇うのであれば、従業員ではなく取締役として雇った方がブラック企業扱いは避けられるかもしれません(但し悪用を禁ず!)。

ただ、冗談はともかく、会社のスタート時点ではそれぞれの人間の役割や責任は大きく、お金の面では苦労を掛けてしまうことが多いです。苦楽を共にできる仲間たちは最初から役員になっていただいた方が良いでしょう。役員と従業員は別の人種です。

 


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