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法人成りとか、法人化とか言いますと、何やらあなた個人が法人に変身するみたいですが、変身ではなくもう一人の自分を作るようなものです。つくったもう一人の自分ですが、自分で動かすか、誰かに動かしてもらうかしないと単なるコストのかかる箱のままで終わってしまいます。法人は資本主義制度が作りだした最大の産物、いや会社が資本主義を作ったのかもしれませんが、難しいことは考えずに、法人をうまく使って、一儲けしましょう。さて、次に法人成り(法人化)のメリットを4つ上げてみました。

 

(1) 信用力

あなたが学歴もない、いい会社に入っていない(経歴がない)、単なるフリーターしかやっていない、ああ正社員になりたい!と思っているとします。

でもね、人事部からしてみたら、自分の会社にとって使えなるか使えないかわからない奴なんて採用したくないわけですよ。そんなときに、会社を設立してしまえば、あなたは立派に代表取締役社長を名乗れます。経歴がたいしたことがなくて、履歴書を送っても相手にされなくても、ビジネスをやっていて、会社概要や商品概要に魅力があれば、立派な企業との取引が始められるかもしれません。もっとも良い商品でなければ見向きもされませんが、フリーターが一発大逆転を狙うには、これしかないのです!人生をやり直すことができる、そして個人ではたいしたことない人間が、なんかすごいものに思えてくる。それが法人化を用いた信用力の増強です。

ある本の受け売りですが、バックパッカーが履歴書持ってきて、2年間海外で放浪してました、雇ってください、というのと、会社の名刺に代表取締役と書いてあって、2年間この事業をやるためにいろいろな海外を見て回って、御社に魅力的な商品を仕入れることができるなんていったら、どちらの人に会ってみようと思いますか?

あとは個人よりも法人の方が取引先や仕入先から信用を得やすいという現実的な話もあります。それなりの企業ですと、相手が企業でないと取引をしないという社内規則もあるくらいです。加えて、介護事業のように法人でないと認定されないこともあります。

 

(2) 節税

法人化の最大のメリットは節税だと思います。最も儲けられなければ法人化するだけムダです。個人事業のままやっていれば赤字の場合に税金はかかりませんが(当然、個人の住民税均等割はかかります)、法人の場合、赤字でも法人住民税・事業税等7万円が毎年かかってしまいます。当然のことながら会社設立費用や会社の維持費用(例えば税務申告書作成等も含む)もかかってしまいますね。儲かると思ったら法人化を検討しましょう。税率の話をしますと、個人の所得税では、例えば課税所得が900万円を超え1800万円の場合は33%の税率、1800万円を超え、4000万円以下の税率は40%、そして4000万円超の税率は45%になります。ここに住民税も入ると大変です。個人の所得税はお金をたくさん稼ぐ人がたくさん支払うという累進課税制度をとっています。それにひきかえ、法人税はどんなに儲けても、基本は一律(法人税率23.9%)です。タックスヘイブンのせいで(おかげで?)、法人税率は下落の一途をたどっていきます。

また税率だけではありません。家族に自らの作った会社で働いてもらって儲けた収益を給与所得で分配すれば、稼がない人からはとらない、累進課税制度のメリットを享受できます。これは相続税対策にもなってきます、加えて、個人では費用や損失にならないものも会社では費用や損失となり、節税メリットを享受できるのです。まとめますと、法人化は税率の高低差、経費の幅の広さ、家族への所得分配と、この3つでメリットを得られることになります。

(ここでは細かい計算を割愛しましたので、法人化の節税メリットをご検討の場合には税理士等の専門家にお尋ねください。)

 

(3) 資金調達

個人事業では、資金調達が融資に限定されるだけでなく、個人よりも法人の方が受けられる融資制度も幅広いものとなります。また、法人であれば、特に株式会社では上場を目指すことで増資という選択肢や、社債、あるいは売掛金の証券化等多種多様な資金調達の手段が広がっていきます。

個人事業と株式会社では同じ売り上げや利益であれば、資金調達は有利不利があるわけはありません。しかし株式会社などの組織形態を持っていた方が、銀行側の査定が株式会社中心の制度となっているために、どうしても個人事業よりも若干有利になることはあります。もちろん内容度外視で法人化した方が圧倒的に融資が有利になるということはありません。あくまでもあなたの経験、会社としての実績、収益率など、総合的に決まります。

しかしながら法人と個人で決定的な差が一つあります。これは売り上げと費用が同じであっても、税金を計算すると、どうしても税引後利益が法人の方が高くなってしまいます。税引後利益×月数が返済原資になります。返済原資が大きければ、より大きく借りられる可能性が高まるだけでなく、同じ金額であればより短期間での返済が可能になりますよね。つまり法人の方が返済リスクが計算上小さくなってしまうのです。これは見逃せない観点でしょう。

 

(4) その他

個人事業で行えば、事業の損失は全部自分で責任を負わなければなりませんが、法人化すれば法人に責任をなすりつけることもできます。いや、失言撤回します!損をさせてしまうと人間関係が壊れますから、別の事業でも構いませんから、損をさせた人にはきちんと報いましょう。

その他のメリットとしては、個人事業では1月から12月までと決算時期が一方的に決められてしまいますが、法人では自由に決めることができます。

 

(5) 株式会社と合同会社のメリットとデメリット

法人には株式会社、合同会社、合資会社、合名会社、一般社団法人、財団法人、NPO法人、社会福祉法人等、数々のものがありますが、ここでは株式会社と合同会社のメリットとデメリットをとりあげましょう。

合名会社や合資会社は、前者は無限責任社員だけで構成され、後者は誰かが無限責任社員からを勤めれば、その他は有限責任社員だけで良いというもので、簡単に言えば、合名会社は事業で損をしたら、全員が責任を負うことになりますが、合資会社では無限責任社員だけが責任を負えば良いことになります。

株式会社や合同会社の場合は、有限責任社員だけで良く、これは事業でどんなに損をしたとしても、誰に迷惑をかけたとしても、株主は出資金がパーになるだけでそれ以外の責任は負わないことになります。

一般的に、小さな株式会社は経営者と株主が一体となっており、融資をうけるときには、経営者が連帯保証を要求されており、実質、無限責任を追っているようなものですが、事業で払うべき未払金は会社を潰せば後は知らぬ存ぜぬと言えます。しかしながら、通常はお金を支払わないと、その後でこの支払いに経営者も連帯保証をすると一筆入れろ、といってきます。そうすると実質無限責任と同じことになってしまいます。ただ、一筆入れなければ、その未払金は会社とともにおさらばです。従い、有限責任は制度的に維持されていると言えましょう。

この点は合同会社にも認められています。

本来ならば合同会社はアメリカのパートナーシップを参考に作られているはずで、むしろ組合に近い感じですが、その最大のメリットであるパススルー課税が認められておりません。パートナーシップの場合、売上が経っても費用を分配してしまえば、パートナーシップ自体の課税はありませんが、合同会社の場合、配当可能利益が決まっていたり、そもそも税引後でないと配当できないので、合同会社でも税金がかかり、受け取った個人でも所得税がかかったりとか二重に課税されます。実は合同会社は最大のメリットが欠けてしまった法人なのです。この二重課税問題は株式会社でもあります。

では合同会社が株式会社と比較して、なんのメリットがあるかと言えば、次にあげた3つのものです。

(a) 設立費用が安いこと 株式会社では登録免許税と定款認証の費用で約20万円かかりますが、合同会社では登録免許税の6万円で済んでしまいます。

(b) 維持費用が安いこと 株式会社には決算の公告義務がありますが、合同会社には義務がありません。とはいえ、株式会社でも公告している会社はあまりなく、実質形骸化しているのと、登記しておけば自社のホームページでの公告でも十分です。これはあまりメリットではないかもしれません。

その他は役員の任期制限がない点はメリットですが、株式会社でも10年で改選にしておけばたいしたコストにもならないでしょう。

(c) 経営の自由度の高さ 株式会社では株式の保有割合に応じて配当金額が決まりますが、合同会社ではその保有割合とは別に配当金額を決めることが可能です。この点は非常にメリットになります。ただ、株主に会社の仕事をしてもらえば、業務委託費としてお支払いすることも可能ですし、別の分配方法はあります(業務実績がなければ税務上否認されますのでご注意ください)。株主総会の設置義務がないので、総会の開催は不要です。株主総会の議事録作成で済ませてしまっている会社も実際は多いと思いますけれども。。。。

 

次に株式会社のメリットであり、合同会社のデメリットをとりあげましょう。

 

  • 信用度

合同会社が新しい制度であることもありますが、まだ一般に認知されておりませんし、合同会社?設立のときに金がなかったんだろう、として、貧乏人の株式会社というレッテルをはる方もいらっしゃいます。当然のことながら、株式会社>合同会社という位置付けです。身分制度は撤廃されたはずですが、法人格には身分制度が残ってしまっているようですねえ。

そのため、企業との付き合いはなく、消費者だけとしか付き合わないのであれば、合同会社にもメリットがあります。うちは取引先が消費者しかいないから!えっ仕入先も消費者なんですか?それならばぜひ。

 

  • 取締役?社員?

名刺に代表取締役と書いてあるか、代表社員と書いてあるか、これにこだわる方は結構いらっしゃるかと思います。店の呼び込みで社長さん、可愛い子いますよ、と誘われて名刺を渡したときに、可愛い子も取締役、社員で見慣れないなと気付いてしまうかもしれませんよ。

名刺に「代表取り締まられ役」と冗談で書かれていた方がいらっしゃいましたが、本当に法律違反を犯して、取り締まられた方もいらっしゃいましたね。

社員ではそんな冗談はかけませんから、どうぞご自由に。

 

  • 資金調達は有利?不利?

理屈では変わらないはずなんですが、銀行さんの査定は株式会社を中心に行っておりますので、どうしても株式会社が気持ち有利になりますよ。当然のヘボい株式会社と収益力のある合同会社では、当然、合同会社の方が有利ですけれども。

 

合同会社は、個人で保有する不動産を法人に保有させたり、限定的な目的で利用する場合、子会社などで二つ目の法人が必要だったり、プロジェクト単位で法人を設立しプロジェクト終了後、すぐに閉鎖する、といった短期的目的、あるいは会社の肩書きなどいらない場合には、非常にメリットのある法人形態になっています。

 

以上、色々と述べてきましたが、見栄と費用を天秤にかけて、どちらの法人にするか決めればよいということになります。

 


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