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開業する際にはどうしても開業資金が必要です。そのときの資金調達手段として、融資と出資があります。融資と出資のそれぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

 

  1. 融資と出資の違い
  2. 融資のメリット
  3. 融資のデメリット
  4. どちらの調達が適切か
  5. おわりに~全てはあなたの信用から~

 

  1. 融資と出資の違い

融資と出資はどちらもお金を出してもらうことですが、融資は返さなければいけないお金、出資は返さなくてもいいお金になります。それであれば出資してもらった方がいいやと思ってしまいますが、果たしてそんな単純な考え方でよいのでしょうか。

融資と出資の大きな違いとして、融資は比較的にお金が返ってくる事業のための資金調達です。そのため、融資をした者の受け取る果実、一般的には利息ですが、それほど高い利益は要求されません。出資は、事業が上手くいかないかもしれないが大きく当たったら莫大な利益が手に入る可能性のある事業のための資金調達です。そのため、出資した者(以下、「投資家」といいます)の受け取る果実は、大きい必要があります。つまり高い利益が要求されます。

ローリスク・ローリターンを融資とするならば、ハイリスク・ハイリターンが出資になります。それだけ大きな果実を得るためには、投資家に対してそれ相応ニンジンをぶら下げる必要があります。その一番の大きいニンジンは、上場した後のキャピタルゲインでしょう。

それゆえ、出資を募る際には、一般的には上場を目指していると言わなければならないのです。もっとも上場でなく、どこかの企業に株式を買ってもらうという方法もあります。融資は元本の返済と利息、出資は元金のエグジット(キャピタルゲイン、時には配当等)が必要になるわけです。中には事業出資と言いまして、ある事業に出資をしたら自分の本業に売り上げや利益としてメリットがある場合には、キャピタルゲインにこだわらない場合もあります。

 

2. 融資のメリット

融資のメリットは逆に言えば出資のデメリットであると言えます。

まず融資のメリットとは、唯一の出資者であり経営者であるあなたは、融資を返済できれば、事業で得た果実を全てあなたのものにできることです。出資をしてもらえば、経営陣に投資家が入ってくるかもしれません。自由な経営ができなくなります。金だけ出して口は出さないなんて投資家は皆無に等しいです。

経営に自由度があるのは大きいことです。それに融資を返してしまえば、会社を辞めたいときにやめられます。出資を受けてしまうと会社を辞めたいときにやめられません。経営に自由度があることに入りますが、株主総会の開催も非常に楽です。

 

3. 融資のデメリット

融資のデメリットは出資のメリットであると言えます。

融資のデメリットとは、事業が上手くいく行かないにかかわらず、借りたお金は原則返さなければならないということです。概ね、開業当初の融資は経営者であるあなたが連帯保証人になっているでしょうから、お金を返せなければ最悪破産するしかありません。

破産すると信用情報に掲載され、10年以内は新規の借入やクレジットカードが作れなくなります。職業制限があり、3か月や半年ほど一部の職業につけなくなります。

また、融資だけでは大きな事業を行うことは厳しくなります。いわゆるスピードが必要な事業は出資を受けた方が良いでしょう。

 

4. どちらの調達が適切か

融資と出資どちらの調達が適切かといえば、あなたが何をしたいのか、そしてそのために何を我慢(犠牲に)できるのかによります。

全て自分の手金だけでどうにもできない事業はあるでしょう。大きく仕掛けるときには融資だけでも足りない場合があります。事業の大きさやスピード感を重視したい場合には出資を選択肢とすべきでしょう。投資家からは今、どんな状況にあるか、といった質問がよく飛んでくるようになりますが、それくらいは面倒くさがらずに対応しましょう。飲ませたり食わせたりしておけば、大らかになってくれることが多いです。

小さな事業の場合にはなるべく手金と融資で対応した方が良いでしょう。小さくても数十万円の出資を数名から募っていては、経営に自由度がなくなります。それが原因で経営が上手くいかず、倒産することもよくある話です。会社が小さい時には意思決定は素早く少人数で、できれば自分一人で決めた方が上手くいくケースが多いです。

 

  1. おわりに~全てはあなたの信用から~

数千万円を開業資金で用意する際に、自分はお金がないが今すぐに事業を始めたいから、出資をお願いします、とぬけぬけしゃあしゃあと言ってくる人がいますが、はっきり言いましょう。そういう人は事業を始めないでいただきたい。

資金調達と言うものは、全て「信用」で成り立っています。あなたがこれから当たるか当たらないかわからない事業に対して、それに融資を受けられるか、出資を受けられるかは、あなたが金主に信用されているかどうかに関わっています。

事業にどんなに独自性があって、魅力的かどうかはそれほど関係ないのです。何故ならばその事業にどんなに独自性があったところで、魅力的に見えたところで事業が上手くいくかどうかは別の話です。あなたに会社の運営能力がないかもしれない。お願いした営業マンが予定通り働いてくれないかもしれない。大資本が入ってきて、あなたのビジネスをかっさらっていってしまうかもしれない。大災害が起こって物が売れなくなるかもしれない。そういったあなたの責任ではないような不確実要素が多いために、事業が優れているかどうかだけで出資や融資が決まるわけではありません。どんな困難なときでもあなたが結果を残してきたか、その事業を何が何でもやり遂げることができるか、そして周囲の人たちにどれだけ信用されているかどうかであり、その信用は一朝一夕に作られるものではありません。時間がかかるものです。

ちょっとしたことをやるのに自分のお金が用意できないということは、準備を行う計画性がない、加えて自分はリスクを負いたくないという逃げ腰な態度です。リスクを負いたくない=自分に自信がないと言っているようなものです。

時間をかけて信用を作っておくこと、その信用が資金調達の際に花開きます。そういったことに時間をかけられない人は融資や出資等容易ではありません。そして融資を受けたり、出資を受けたりした場合には、きちんと金主には返済や還元をしましょう。お金の信用はお金で増やすのが一番です。融資をして返済しなければ次に借りられませんし、出資をして還元できなければ次の出資が難しくなります。

中にはある人に損をさせても、他の人からお金を調達できている人もいます。でもそういった人は、必ず同じ過ちを繰り返し、負の信用を知らぬ間に大きくしてしまっている可能性が高いでしょう。それはどこかで爆発するかもしれません。まあ、後は運に任せましょう。

信用を大きくするも小さくするも、作るも無くすも全てはあなた次第です。信用はあなたへの期待とあなたの実績が形作ります。

 

最後に、事業を大きくしていきたいという意欲のある方は、融資と出資を区別するのではなく、それぞれのメリットとデメリットを理解したうえでハイブリッドな資金調達をしていくのがよいでしょう。融資と出資をうまく組み合わせれば、資金調達のそれぞれのメリットを増幅し、デメリットを打ち消すことができます。でも資金調達のまず始めは「信用」からです。

 


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