ブログ

起業すると個人事業として行うか、株式会社や合同会社のように法人化した方がいいのかお悩みの方も多いと思います。さて、どちらがメリットがあるかを見ていきましょう。

 

  1. 個人事業の開業
  2. 青色申告と白色申告
  3. 個人事業と法人化のそれぞれのメリット
  4. おわりに

 

  1. 個人事業の開業

個人事業は、法人を設立しないで個人で事業を行うことです。とは言っても別に家族に仕事を手伝ってもらってもよいし、従業員を雇っても構いません。

自分で個人事業をやると宣言しただけではいけません。開業してから1か月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」に必要事項を記入して、事業を行う管轄の税務署に提出する必要があります。提出用と控用の2通を用意しましょう。当然のことながら、どちらも同じ内容が記載されていなければなりません。これは国税庁のホームページからダウンロード可能です(https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/05.pdf)。

いくつか記載すべきことがございますが、「職業」についてどう書いたら良いか、お悩みならば、法定業種と税率(http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/kojin_ji.html#kj_4)を参考にして記載するとよいでしょう。

「屋号」は会社名になりますが、株式会社や合同会社ではないので、それらの名称を記載してはなりません。特にない場合は空欄でも構いません。

「青色申告承認申請書」又は「青色申告の取りやめ届出書」の有無に丸を付けましょう。節税効果を考えれば青色申告の方が良いですが、青色申告と白色申告については、後程論じることに致します。

「給与等の支払状況」で、専従者とは家族従業員のこと、使用人は、家族以外の従業員のことです。給与の定め方の欄には「月給」と記載しておけばよいでしょう。また税額の有無については、そのうち誰かが所得税を払うと思われるのであれば、「有」に丸をしておけばよいと思います。

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の届出の有無」は、従業員の源泉所得税を年に2回、まとめて納付できるようになります。通常、源泉所得税は給料を支払った翌月の10日までに納めることになっております。個人事業主で何十人も雇うことはないでしょうから、手間は年に2回の方が良いと思います。下記ホームページから書式をダウンロードできます。

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/pdf2/205.pdf

 

  1. 青色申告と白色申告

まず白色申告のメリットは次の通りです。青色申告と比較してのデメリットは青色申告に適用されるメリット(特典)が使えないことになります。

  • 白色申告のメリット

・10万円の特別控除が受けられる。

・単式簿記の記帳でOK

→事業所得、不動産所得、山林所得を生じる場合、

帳簿・決算関係書類は7年間、領収書は5年間保存が必要。

・現金主義の記帳でもOK

 

青色申告の方が税制上優遇されているので、メリットとデメリットがあります。

  • 青色申告のメリット

・65万円の特別控除が受けられる。

・純損失の繰越と繰戻が可能

・事業専従者給与の必要経費算入(家族への給与が経費にできる)

・減価償却の特例

・貸倒引当金の設定、一定の割増償却が可能

 

  • 青色申告のデメリット

・複式簿記の記帳が必要

所得にかかわらず、帳簿・決算関係書類は7年間、領収書は5年間保存が必要。

決算は損益計算書、貸借対照表が必要

・発生主義で記帳しなければならない。

 

通常、起業したら事業所得か不動産所得でしょうし、会計ソフトを使えば複式簿記になりますから、65万円の控除を受けられた方がメリットが大きいと思われます。

 

  1. 個人事業と法人化のそれぞれのメリット

個人事業と法人化のそれぞれのメリットは次の通りです。このメリットはそれぞれのデメリットでもあり、違いでもあります。

 

  • 個人事業のメリット

・赤字のときに支払う税金が安い。

均等割だけで済み、市町村民税は各自治体によって異なっています。

([参考]平成26年度から平成35年度までは、都民税額1,500円+区市町村民税3,500円)

・会社設立費用がかからない。

・社会保険への加入が義務づけられない。

→当然国民健康保険や国民年金の支払いは義務です。

・事務負担が会社と比べて軽い。

会社組織に関する手続き(総会開催等)がない。

法人税申告と比較すると所得税申告書の方が手間がかからない。

・事業の廃止に手間がかからない。

 

  • 法人化のメリット

・取引先、仕入先から信頼面で有利

→個人事業とは取引しないという社内規則のある会社も多いです。

人の採用も会社の方が比較的に楽でしょう。

・所得が大きくなれば、税金が安い。

→社長個人も経費化できますし、給与所得控除も使うことができます。

一般的には毎年500~600万円の所得(利益)が生じるならば、法人化はメリットがあると考えられます(所得を振り分ける家族の人数やケースによって異なりますから、法人化を節税面でご検討される場合は、専門家へお尋ね下さい)。

生命保険等経費の幅も広がります。

・融資も会社にした方が借り入れが比較的に容易になるだけでなく、資金調達の幅が広がります。

・決算が自由に決められる。

個人事業ですと1年が1月~12月と決められてしまいますが、会社の場合は決算月を自由に決めることができます。

・借入金の返済義務がない。

代表が連帯保証人にならなければ、会社がコケても個人で返済義務を負うことはありません。

 

  1. おわりに

税金のことだけを考えれば、儲けが多い場合には法人を選択した方がいいし、儲けが少ない場合には個人事業を選択した方が得ということです。見栄で安易に法人化するのではなく、実質のメリットを考えましょう。事業の成長に合わせて組織化することもできますので、売り上げが確実に見えてくるまでは個人事業のままというのも選択肢としてはアリです。

ただ、今後、事業を大きくしていきたいという自覚がある方は、最初から法人化しておくべきでしょう。それはあなたの自信とやる気の問題です。

 


日本政策金融公庫の融資が通る可能性は?

創業資金
事業拡大資金
新規事業資金