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会社を設立して大きくなっていくうちに、何度も借入にお世話になることになります。ここでは経営者自身や、関係者からの投資以外は行わず、融資だけで大きくなっていき、上場しない会社を想定して話をしていきます。

 

  1. 会社の成長ステージ
  2. 事業資金の種類
  3. 事業資金の調達方法
  4. おわりに

 

  1. 会社の成長ステージと資金需要

会社も人間と同じように生まれ、育ち、大きくなっていきます。100年たっても継続している企業もあれば、数年で消えていく企業もあります。会社の成長ステージにはどのようなものがあるのでしょうか。概ね次のように考えられています。

  • シード期
  • スタートアップ期
  • アーリー期
  • グロース期
  • レイター期

 

資金需要の話も含めて具体的に見ていきましょう。

  • シード期

設立準備段階です。ビジネスモデルやコンセプトを固めている時期で、会社設立費用や運営費はかかるでしょう。ビジネスが上手くいくかどうかの市場調査もこの時期に行います。飲食店等の店舗運営事業であれば、競合分析や物件探し、そして融資を受けることを想定した事業計画書作成もこの時期です。

  • スタートアップ期

設立期あるいは第二期くらいです。企業によっては前後します。会社設立後、店舗も構えたものの、売り上げがあまり上がらない時期です。この時期は、通常の事業活動を行う上で必要な運転資金や設備投資資金の需要があります。飲食店等では、必要な運転資金には、仕入、スタッフ費、広告宣伝費、家賃、水道光熱費、消耗品費その他諸経費等があります。また設備投資資金は主に内外装費や厨房等の設備費が該当します。一般にスタートアップ期は、自分、親類、友人のような身近な方か、日本政策金融公庫の創業融資や自治体の制度融資に頼らざるを得ません。

  • アーリー期

本格的に事業を行う時期です。しかしまだ低収益か、場合によっては赤字でしょう。そのため、資金繰りが厳しい時期です。創業融資や制度融資を受けたばかりであれば、決算を迎え、利益が出ていないと追加融資は難しいでしょう。やはり知人や親類に頼るしかなさそうです。何よりも利益を上げ、内部留保を考えなければなりません。

  • グロース期

事業が軌道に乗り、売り上げが成長し始める時期になります。この時期は、売上高が損益分岐点を超えて単年度も黒字となっているでしょう。売上高が急増することで運転資金が増加しますし、場合によっては新規店舗展開のための設備投資需要も必要となり、資金需要が必要となります。営業キャッシュフローは概ね黒字でしょうが、投資キャッシュフローを加えたフリーキャッシュフローはまだ赤字かもしれません。何故ならば、設備投資で大きなキャッシュアウトになっているからです。この時点で3期の決算を迎え、利益が黒字になっていれば、信用金庫、地銀だけでなく、メガバンクでも融資を検討してくれる時期です。

  • レイター期

この時期は安定期です。累積損失も解消されており、フリーキャッシュフローも黒字となっていることでしょう。拡大しなければ、それほど資金需要もありません。まさに銀行からしてみれば「晴れている企業なので傘を何本でも差し上げます」企業です。従って、民間金融機関の融資が相当有利に受けられる時期です。

 

シード期からレイター期までの生存率は高くはありません。この間に、成長停滞期、衰退期、ときにはそのまま倒産してしまう企業もあります。踏みとどまって企業再生を行っているかもしれません。

 

以上が企業の成長ステージごとの資金需要です。

 

  1. 事業資金の種類

繰り返しになりますが、企業にとって事業資金とは、主に「運転資金」と「設備投資資金」、そして「決算・賞与資金」があります。そして信用保証協会付きでない点で、「プロパー融資」と呼ばれます。

  • 運転資金

これは商売を行っていくのに必要な売り上げと仕入の回収のずれから生じる不足資金のことを言います。企業によっては売掛金の回収は売り上げが立って3か月後、仕入は翌月払いとなることがあり、数か月現金が出るばかりで中々入金がないことがあります。売り上げが確定的に入ってくるのであれば、銀行が融資してくれます。

現金の入りは減りますが、資金繰りのために売掛債権の現金化(ファクタリング)、受取手形の割引等も行うこともあります。

通常の民間金融機関からの借り入れが難しいときは、利息が高いものの、ビジネスローンという手段もあります。

 

  • 設備投資資金

これは読んで字のごとく、設備投資のための資金です。店舗の内外装費、厨房等の設備費は工事業者に工事完了後速やかに支払う必要があります(手付等、何分割かで払うこともあります)。その設備投資資金の回収見込みがあれば金融機関からの融資も可能となります。

ときにはノンバンクからリースという手段で資金調達することもあります。

 

  • 決算・賞与資金

決算資金とは法人税や事業税、消費税等の税金の支払いのために借りるものです。賞与資金は賞与支払いのために借ります。税金の支払いや賞与資金の支払いでキャッシュが出ていくので、現預金残高が一気に減少します。従って、資金繰りの視点から、キャッシュを平準化するために、銀行から借り入れます。概ね半年以内に完済します。恒常的に資金需要が発生するので、銀行は好んで貸したがりますが、その資金をその他の資金使途に使ってはいけません。これは決まり事です。

 

  1. 事業資金の調達方法

こればかりは企業の成長ステージごとや、財務状況によって調達方法は変わってしまいます。創業期であれば、自腹を切るか、もしくは親、兄弟、知人等自分を信頼してくれる人から調達するか、もしくは創業融資、制度融資で調達することになるでしょう。

会社に利益が出てくれば、信用金庫や地銀から借り入れも可能ですし、利益が出ていることを前提として3年決算期を迎えれば、メガバンクの貸付け対象にもなります。

銀行員と仲良くなってきますと、「私募債」による資金調達を提案されることがあります。だからといって、特に何が有利というわけでもないので、記念だと思ってください。融資以外で財務諸表の「社債」って記載があったら、何かすごく見えますよね。でも手数料が高いだけの金融商品です。銀行員に恩を売るくらいな気持ちでトライされてはいかがかと思います。

 

4.おわりに

事業資金の調達は、会社の成長ステージや財務状況によっても大きく変わります。リスクの高いときは、あなた自信かあなたの身の回りから、創業時は創業融資か制度融資、利益が出てきて安定してきたら、民間金融機関のプロパー融資が可能になります。プロパーが受けられたら一人前です。

事業資金には「運転資金」「設備投資資金」、そして「決算・賞与資金」があることを頭に入れておきましょう。


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