日本公庫コラム

日本政策金融公庫総合研究所が「小企業における経営資源の引継ぎに関する実態調査」を公表しました。

当然のことながら、企業は必ず永続できるわけではありません。売り上げが上がらなかったり、思った以上に費用が掛かってしまったり、資金繰りで失敗したり、そして経営自体は上手くいっているのだけれども後継がいなかったりで、やむを得ず、会社を廃業しなければならないことも多々あります。

また、会社を廃業する場合でも、そのまま全てをなくしてしまってはもったいない場合もあるでしょう。例えば飲食業であれば、今まで掲げてきた看板は財産です。そして今までの顧客も味が変わらなければ、店に来続けたいとの思いもあるでしょう。

調査結果によると30.6%の会社が何らかの経営資源を譲り渡しているとしています。その資源とは、従業員、土地建物・工場等の不動産、機械設備、製品・商品、販売先、仕入先、知的財産、貸付金・売掛金、そして現預金。最後は羨ましいですよね。しかし当然のことながら、借入金や買掛金等の負債も譲渡にはあります。これは受け取る資産と負債を天秤にかけるということでしょうか。負債だけ引き取るというのは、よほどMでなければ受けないでしょう。

譲渡、譲受した割合が最も高いのは卸売業と飲食店とのこと。卸売業は商品、飲食店は顧客でしょう。

このような譲り渡しと譲り受けで最も困ることは、当然のことながら、「残っている債務」です。債務だけ引き取る人もいなければ、債務だけ残して他は渡す人もいるわけはありません。会社を営んでいれば、債務は当然ながらあるもの。それは繰り返しになりますが、資産と負債の天秤をどうとらえるかの問題です。

あと、思いのほか困ることは、譲り渡す先がいない、という問題。親のやっている事業をそのまま子が引き継ぐのも、引き継がないのも親の一存で決められるものではありません。子孫が継いでくれないならば、今の従業員、あるいは同業者へ。選択肢は頭の中では多く数えることができますが、かと言って、実際の選択肢(つまり実際の承継先)は限られています。

少子高齢化社会や将来の見通しが不確実な現代社会は、さらに事業承継をしにくくしていると言えるでしょう。つまり少子高齢化社会は、経営者の成り手が少なくなるということ、そして将来の見通しが不確実、むしろ経営の縮小均衡化(経済の右肩下がり)は、負債が固定支払である以上、経営のリスク要因になります。

従い、債務免除も含めた事業承継の制度化も政府が積極的に取り組んでいただきたいものです。事業承継はオイシイと、思う人が増えていかなければいけません。もっとも、債務免除は金融機関にとっては損失になりますので、ここら辺の財源化も含めてになりますから、簡単な方程式でないことは確かです。


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