日本公庫コラム

日本政策金融公庫総合研究所より、中小企業の雇用・賃金に関する調査結果が2月28日に発表されました。

その調査結果ですが、雇用においては正社員が不足と回答した企業割合が50.2%となり、半数が不足、賃金については、前年の給与水準(但し正社員)から49.3%引き上げたとの回答がなされました。

業種別では建設業(68.5%)、情報通信業(67.7%)、運送業(66.5%)が不足となっています。どれもこれもキツイ仕事ばかりです。ここで人手不足と言われてもね、という感じです。これらの業種が人手不足感を高めていると言えるのではないでしょうか。建設業は東京オリンピックの影響もあることでしょう。

運送業については、最近、クロネコヤマトさんの従業員が経営陣に対して受注を減らすよう願い出るなど、以前では考えられない状況になっています。ドライバーの皆さんは健康を害して働いている印象があります。ここで一度、再配達等の顧客への過剰サービスを見直す必要がありますよね。それは運送業だけではありません。

お金を払ったら後は全てお金を受け取った方が何が何でも顧客の期待に応えなきゃならないといった風潮がある気がします。そうではなくて、受領金額に対応するサービスが何なのか、それを顧客とサービス提供者できちんとコンセンサスをとっていかなければいけない時期に来ているのではと思う今日この頃です。

また、非正社員の過不足感は不足との回答が35.1%にとどまっているようです。つまり、正社員はもっと必要、非正社員はそれほど必要はない、ということになります。非正社員が正社員になりたくないのか、はてまた企業が正社員として採用する意欲はありながらも、結局正社員にすることに躊躇しているのか、どちらかはわかりませんが、もろ手を挙げて労働人員が不足しているような「売り手市場」とはまだ言い過ぎかもしれません。

人手不足により、企業は、売上機会を逸失、残業代や外注費等のコストが増加、納期の長期化、遅延の発生が悪影響として上げられており、人手不足に対しては、従業員の多能工化(要するになんでもやらせる)、残業を増加、そして業務の一部を外注化することで対応しているようです。従業員に対する負荷が上がっているといえましょう。外注化とはかっこいいですが、要するに外部への負担の丸投げです。

確かに転職市場を見る限り、人材の移動は活発化しています。そして人材獲得競争が激しさを増し、報酬の増加要因にもなっています。もっとも、正社員の給与水準上昇の背景が、自社の業績が改善したことと回答した企業割合が43.9%と最も多いことは救いです。人件費が上がれば価格単価は上がります。それが稼げない人たちの生活を圧迫するようであってはならないのですが、バランスをとるのは正直難しいものです。


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