日本公庫コラム

調査月報において、法政大学教授の酒井先生が「シェアリング市場の拡大と中小企業のビジネス・チャンス」を書かれています。

現代の経済社会では「所有」から「共有」が急速に進んでいます。昔、車は買う(支払はローン)のが当たり前でしたが、ここ最近、カーレンタルで済ませようという考え方が次第に強まっています。いわゆるシェアリングです。

これはモノだけではありません。例えば、今日何食べた、なんていう個人的な体験談も、フェイスブックやインスタグラムで簡単に共有できてしまえます。

Airbnb(民泊)やUber(配車サービス)等はシェアリングサービスの代表例だが、これによって、既存の仕事(宿泊施設やタクシー会社)に痛みが生じている。

しかしその痛みをそのまま放置しておくのは社会的に問題がある、とはいえ、既存の仕事をそのまま保護しておくのはもっと社会的に非効率である。新しい雇用や仕事の創出に、個々人の力で静かに移行していくしかない(簡単に人間は変われないのであるが)。

いずれにしても、変革はビジネス・チャンスにつながる。中小企業でもアイデア次第ではチャンスを掴むことができる、そういう時代なのである。酒井教授が調査月報の論考において、「シェアリングビジネス」をわかりやすく分類してくれている。

まずは、なにをやるかである。

<サービスのタイプ>

① プロダクト=サービス・システム

(例)DVDレンタル、カーシェアリング、スポーツジム、宿泊施設
所有権は使用者に移転せず、施設やモノの使用権を与え、対価を得るモデル。

② 再配分市場モデル

(例)中古品売買、中古品リサイクル
使用価値が残っているモノの所有権移転を行う。

③ コラボ的ライフスタイル

(例)物々交換(いらないものをただで上げる)
相互扶助の精神での物々交換

次にどうやるかである。

<手法のタイプ>

① フル・メッシュ型

シェアリングサービスに必要なモノからプラットフォームを企業がすべて提供する。
利用者は企業を介してサービスの提供を受けるので、金銭を支払う相手は企業となる。

② オウン・トゥ・メッシュ型

個人が所有しているモノをシェアする相手を見つけるマッチングのためのプラットフォームを提供する。
プラットフォームの利用料だけを企業に支払うため、家庭教師斡旋所はこのビジネスの例にあたる。従い、家庭教師代は家庭教師に直接払うことになる。

オウン・トゥ・メッシュの場合は、高価で使用頻度の低いものがシェアリングに適しているだろう。但し提供する価格は判断による。買った方が安ければ、シェアリングを利用しようとも思わない。また、使用頻度の高いものはシェアリングには適さない。

この論考において、「社会に遍在しているユニークな未活用の資源を見つけ出せるかどうか、それを取引される財として顕在化する能力があるかどうか」と結んでいる。

ビジネス・チャンスを生かすも、貴方のヒラメキ次第ということである。


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