日本公庫コラム

2016年12月26日に、日本政策金融公庫中小企業事業本部保険企画部より、掲題の調査結果が報告されました。これは通常行っている「定例調査」と都度テーマが変わる「特別調査」の二種類の調査がなされています。今回は定例調査を見てみましょう。

まず定例調査の説明する前にディフュージョン・インデックス(D.I.:diffusion index)について説明しましょう。これは代表的な景気動向指数で、指標の割合をパーセントで表示します。一般的にはプラスは景気がいいんだな、マイナスは景気が悪いんだな、くらいに考えておけばよいのですが、公庫の調査では、増加がプラス、減少がマイナスとしており、景気そのものの増減を示していないことに注意が必要です。

さて、今回公庫が報告した内容を見ていきましょう。まず中小企業向け貸出D.I.は8期連続でプラス(今期:5.7、次期見込:3.9)になりました。

これは景気が上向きになっている、あるいは金融緩和の効果とみることができます。特にマイナス金利の影響が前回調査(2016年度上期)と比較して4.3→12.7%と増加したと、金融機関の回答が増加していることは注目に値します。設備投資の金額がプラスになっているため、景気が上向きになっていると言えます。

次に信用保証付貸出D.I.は11期連続でマイナス(今期:▲15.4、次期見込:▲12.0)になっています。信用保証を付けないと貸せない企業が減少している、つまり全体の融資金額が減少していないことを前提としますと(当然のことながら、中小企業向け貸出D.I.が上昇している、これは融資金額が増加していることを意味します)、プロパー融資が増えていると考えることができます。

こちらも景気の上向きの他、マイナス金利の影響が大きいと考えられます。金融機関が貸し出さないといけない状況になっているからです。金融機関の借入意欲が増したというよりも、日銀の思惑(悪い意味ではありません)で貸し出さずにいられない状況となっているといえましょう。

さらに条件変更D.I.は9期連続でマイナス(今期:▲5.7、次期見込:▲5.0)になりました。条件変更をしなくても、企業が自力で返済可能な状況になっていることを示しており、これは景気改善の影響と言えるでしょう。

そして代位弁済D.I.は7期連続でマイナス(今期:▲8.2、次期見込:▲6.0)になりました。これも代位弁済をする、つまり返済ができなくて信用保証協会が中小企業の代わりに金融機関に返済を行う状況、でないことですから、企業の財務状況が改選していることを意味します。

これら調査は短期的ではなく中小期的にその推移(トレンド)をみていくことが重要です。いずれにしても、全体的には融資が受けやすい状況になっていると言えるでしょう。


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