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居酒屋といえば、サラリーマンが会社や上司の悪口をつまみにして、その日のストレスを発散する場所であり、もし日本に居酒屋がなかったとしたら、ここまでの高度経済成長はなかったのではないかと思えるほど。もちろんそんなネガティブな場所ではなくて、明日の英気を養うためのポジティブな社交場でもあります。さっそく魅力的な居酒屋の開業を覗いてみましょう。

 

[目次]

  • ブレインストーミング
  • 開業にあたっての注意点
  • 競合店分析やお店の特色づくり
  • 物件
  • 開業資金
  • 収支計画

 

[内容]

(1) ブレインストーミング

居酒屋に行って思うのは、店主や女将のこだわり。私が惹かれるのは、うちのやり方や料理が気に入らなければ、二度と暖簾をくぐるなといわんがばかりの店主や女将のいる居酒屋ですね。居酒屋の雰囲気は店主・女将とそしてお客様が作るもの。居酒屋の雰囲気をぶち壊すお客様は、その他のお客様からも迷惑です。さて、あなたはどんなこだわりの居酒屋をどのようなお客様と作っていきたいですか。

 

(2) 開業にあたっての注意点

居酒屋市場は前回から見ると決して順風満帆ではありません。例えば一般社団法人日本フードサービス協会の「平成25年外食産業市場規模推計について(平成26年6月)」によれば、「居酒屋・ビヤホール等」の市場規模は1兆239億円となっており、市場規模としては大きいですが、1992年には約1兆5,000億円であり、ここ20数年間で約3分の2に減少した市場であるといえます。市場縮小の背景には、居酒屋に対する消費者ニーズの変化や飲酒量の変化があります。年を取るとお酒の量が減ってきますが、若いうちはガバガバ湯水のごとく飲めたのに。その若い人たちが最近は駆けつけ一杯で上司のいる前でもウーロン茶を頼めるようになった、そんな社会になってしまったわけです。

そもそも酒は自宅でも飲めますし、それだけが必要なら、わざわざ居酒屋に行って飲まなくたっていいわけで、それを居酒屋で飲みたくなるような雰囲気を作るのがあなたの役目なわけです。

日本代表のサッカーの試合なんて、自宅のテレビで見ればいい。負けて悔しくたって、酒で忘れられる。それよりも日本代表のサッカーを一緒に応援する仲間たちとスポーツバーで騒ぎ、勝ちの喜びを分かち合う、それ以上に直接スタジアムに行って生で日本代表を応援し、仲間と一緒に勝ちの喜びと負けの悔しさを分かち合う。そんな空間が「居酒屋」ってことをもう一度再認識しなきゃ、とてもやるべきじゃないですね。単に美味しいお酒や料理を用意しました、だけじゃあ、それってどこのお酒、なんて料理?て客が知ったら、ネットショップで買うかもしれないし、他の居酒屋に行っちゃうかもしれない。あなたのお店は先ほどの日本代表のサッカーのテレビ、あるいは翌日のスポーツニュース、さらに言えばネットニュースで結果を見るだけの人を相手に開業している、儲からない居酒屋になっちゃいますよね。

居酒屋の開業の注意点なんて、難しいこと言ったって始まらない。なんでお客が居酒屋に来るの?美味しいお酒、美味しい料理、そして心地よい雰囲気、それしかない。そんなお店を作れる自信があるかどうかです。

 

実務的な話になりますが、居酒屋を開業する際の届出手続について記しておきましょう。保健所に対しては、営業許可申請証、設備の大要・配置図、食品衛生責任者の資格を証明するもの、税務署に対しては、個人であれば開業届出書、青色申告承認申請書、青色事業専従者給与に関する届出書(家族雇用の場合)、給与支払事務所等の開設届出書(従業員雇用の場合)、法人であれば青色申告承認申請書、棚卸資産の評価方法の届出書、減価償却資産の償却方法の届出書、給与支払事務所等の開設届出書の提出が必要です。

その他、消防署に対して、防火対象物使用開始届出書、防火対象物の案内図・配置図・平面図、消火器や避難器具等の配置図、深夜12時~日の出までの時間帯に酒類を提供する場合は警察署に対して、深夜酒類提供飲食店営業開始届出書の提出が必要になります。

居酒屋を経営していると、お客様の衣服にアルバイトが飲み物をこぼしてしまったとか、いわゆるクリーニング代や弁償代、さらには火事などの災害等、予想していないトラブルで多額の出費が必要となる事態が起きます。そういうときのために、店舗総合保険を検討した方が良い場合があります。

 

(3) 競合店分析やお店の特色づくり

居酒屋は店主や女将次第でいくらでも特色を出すことができる業態ではないでしょうか。もちろん競合店分析は必要ですが、同じ日本料理店があるからといってひるむこともないと思います。あなたの出身地のお酒や料理にこだわれば、そうそう同じ居酒屋を近くに探すのは難しくなります。都内で宮崎県の食材にこだわった居酒屋がありますが宮崎県出身の東京在住の方が訪れたり、宮崎県から出張に来ている人が訪れるそうです。その近隣に熊本県の食材にこだわった居酒屋があるようですが、同じ九州でも宮崎県と熊本県は違いますから、十分に商売になるわけです。お互いお客様の棲み分けができますから。

 

人気店になれるかどうかは、安い料理を提供できるかどうかではありません。店主・女将が自信をもって集めた酒や食材が楽しめるお店、それだけで十分に魅力があるものです。毎回、アレほしいとかありませんか。

 

お客様を呼び込むヒントとしては、立地、品ぞろえや価格、内装やレイアウト等の店の雰囲気、店のコンセプト、そして人(店主・女将)のおもてなしです。それぞれあなたはどう考えているか、列挙してみましょう。

 

  • 立地・・・駅から離れているが隠れ家的な居酒屋で
  • 品揃え・価格・・・産直素材、レアもの限定者にこだわる。
  • 内装・レイアウト・・・カウンター、小上がり。日本の美を追求した間取り。
  • 店のコンセプト・・・郷土料理、都会の喧騒さから離れおふくろの味に回帰。
  • 人・・・美人な女将。

・・・最後だけは何も考えていない(笑)。

 

居酒屋は開業しやすい反面、リピート客の確保が大変な業種です。その中でも人気店は、普通のお店やスーパーでは手に入らないものを味わえる、店主や女将と楽しい時間を過ごせる、そして、その食材をお客様の味覚だけに頼るのではなく、どんな食材でなぜに上手いかを言葉で説明すると、なんだかもっとうまい気がしてきますね。加えて、この酒に合う、この食材、その組み合わせは素人には探すことのできない、玄人ならではのノウハウです。

 

居酒屋に必要なのは「自分らしさ」であり「こだわり」。その自分らしさをどこで表現できるかを再認識しましょう。

 

誰にも負けない調理技術を持っている。

酒や食材の基本知識がある。

人気の酒や飲み方を知っている。

地方の酒やその食材をその地域で味わったことがある。

おいしい味わい方を説明できる。

先ほども記載しましたが、酒と相性の良い料理を提案できる、等。

 

どこかにあなたがアピールできるところはありましたでしょうか。

 

その他お客様を増やすための魅力的なお店作りとしては、料理の提供スタイルを「産地直送」、「健康志向」にこだわったり、くつろぎの空間づくりとして、広々とした空間と、店主・女将と交流したいときのカウンターを充実されたり、お酒のラインナップとしては、特定の生産地にこだわってみる。これらの組み合わせが大切になります。

 

(4) 物件

あなたの店のコンセプトで、どこで店舗を開くかが決まるといってよいでしょう。開店を検討したい物件を見つけたら、顧客ターゲットを調査します。その際に性別、年齢層、ライフスタイルや趣味、職業等に注意しましょう。地域は交通網、住宅、オフィス、商業地の配置を確認します。人口や世帯数等は自治体の統計資料等をインターネットで調べることができます。駅からの距離、動線、どんな店があるか、特に営業時間帯を自分の足で歩いて観察しましょう。時間帯や曜日について複数回人の流れを確認しましょう。商店街の雰囲気、街に集まる人はどんな人なのか。

繁華街がベストではないというのが居酒屋の特色です。隠れ家的な要素を好む客もいます。明確な来店目的を持ったお客様が多いということです。きちんと顧客ターゲットになる人が多い立地を選ばなければなりません。高校の前に居酒屋があっても流行りませんよね。また、居酒屋であれば1階でなければならない理由もありません。エレベーターがあれば何階でも問題はないはずです。繁華街に埋もれた看板よりも、周りに店がない裏道の唯一の光。こんなところに隠れ家好きは惹かれたりします。

 

高架下の電車の音がうるさい居酒屋も乙ですが、近年、繁盛店の必須条件として、「女性に愛されるお店」があげられています。そこはハード、ソフトともに考えていかなければならないことですが、清潔感あふれる店であること。居酒屋出来立ての清潔感をどのように持続できるか。お手洗いの汚れ、匂い、床やテーブルのべたつきもナンセンス。女性向きのメニューも用意することは必要ですが、女性の顧客にトイレの近くに案内しないといった気配りも重要になります。女将が男性の酔っ払い客の入店をお断りする等、お客様の迷惑行為をきちんと注意して雰囲気を大切にされている居酒屋も見受けられます。酔っ払いには毅然とした態度で臨みましょう。

 

さらに、調理中の匂いや煙が迷惑になることもありますので、周辺住民や近隣に迷惑をかけないようにしましょう。住宅に隣接している場合は、騒音対策も必要です。グループで来て悪酔いして店を出て騒ぐとか、汚物をまき散らす等の迷惑行為もあり得ます。店から離れて、自分の店の顧客と判明されないまでがあなたの責任範囲です。その範囲内で何もしないことを祈りましょう。

 

  • 開業資金

居酒屋の場合、都心部から離れこじんまりした店内で内装費を抑えることで比較的に安く開業することが可能です。

居酒屋では開業時に次のものが必要です。

  • 物件取得費

保証金、前家賃、仲介手数料

  • 設備工事費

内装工事費、設備工事費、厨房機器(燗銅壺(かんどうこ)、燗つけ器、チロリ、酒たんぽ、利き酒用お猪口、黒ぢょか、コンロ、保冷庫、ボトル棚、大鍋、おでん用鍋、ネタケース、冷凍庫、冷蔵庫、コールドテーブル)

  • 備品等

インテリア、レジスター、赤ちょうちん、のれん等

  • その他諸経費

酒、料理の仕入れ費、運転資金

 

厨房機器は中古屋で取得。

 

(5) 収支計画

 

顧客単価を3,500円として、1日25人来店と仮定。

 

設備投資は3,400,000円、10年で償却。

借入は800万円として、ケース3~4の売り上げでも返済月数は5~6年なので検討の余地があります。

また、飲食店の平均原価率は30~35%と言われており、ここでは35%で計算してみました。原価を売り上げの一定に保つなどの原価管理が重要であるほか、エアコンのフィルターを頻繁に掃除したり、電気製品のスイッチをこまめにON・OFFしたり等、水道光熱費の無駄を省く努力も、利益率を高めるためには必要となります。

 


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